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導波モードセンサー(Eva-M02)

概要

Eva-M02(図1)は,導波モードで励起されたエバネッセント光を用い,バイオセンシングに適した特性を持つ高感度センサーです。エバネッセント光を用いたるバイオセンサーでは,表面プラズモン共鳴(SPR)センサーがよく知られており,GEヘルスケア社のBiacoreシリーズが有名ですが,Eva-M02は小さなボディの中に,価格が10倍以上のSPRセンサーを超える検出感度を持っています。
また,Eva-M02は金コロイドなど有色の(可視光領域で吸収がある)標識物質を用いると,さらに3桁ほど高感度化できるため,イムノクロマトグラフィーを高感度化できます。さらに,SPRセンサーや一部のQCMセンサーと同じく,抗原抗体反応の進行をリアルタイムに経時変化として検出できるため,検出対象の濃度を測定(定量分析)できることが最大の特徴です。
他のバイオセンシング技術に対する導波モードセンサーの優位性は,技術ページに記載してありますが,Eva-M02の特徴をまとめると以下の3つになります。

  • 感度,定量性,モバイル性,簡易性,検出速度,コストが高次元でバランスしている。
  • 診断薬が販売されている検査の多くに対応し,定性→定量分析にできる。
  • 導波モードセンサー以外にも,スペクトルメーター(可視光領域)の機能を備え,更に多様な検査に対応。

Eva-M02を使えば,多くの対象物を極めて高感度かつ簡単にセンシングできます。代表的な測定対象を下記に示します。(括弧内は,対象に対する測定モード・検出原理です。)各測定対象物に対する具体的な測定例は,使用方法-2にPDFレポートとして順次拡充していきます。

  • ウイルス(導波モードセンサー・抗原抗体反応による標識)
  • 血中因子などのタンパク質 (導波モードセンサー・抗原抗体反応による標識)
  • 水溶液中の塩,糖,タンパク濃度 (導波モードセンサー・溶液の屈折率変化)
  • 溶液の濁度 (スペクトルメーター・透過率)
  • 大腸菌などの菌類 (スペクトルメーター・発色合成基質による吸光度変化)
  • その他色々

代表的な測定例として,インフルエンザ検査などで使われているイムノクロマトグラフィーをEva-M02で定量測定する場合について,模式図で説明します。

模式図

  1. 検出試薬と測定サンプルを混合し,チューブ内で抗原抗体反応を行う。(数分)
  2. 混合液をセンサーチップに注入し,測定(経時変化)。(測定時間 数分~10分程度)
  3. 反射率変化(ΔR)が設定したしきい値に達する時間(t0~t1)から,サンプル中の抗原濃度を計算

Eva-M02は,基本的に「ペンケースほどの本体」と「iOS搭載のスマートデバイス(iPad,iPhone)」の2つから構成されます。女性用のセカンドバックにも十分入る大きさなので,持ち運びが容易なのはもちろん,使わないときは机の引出しにしまっておくことができます。本体の電源は小型のアダプター(AC100V又は車載12V)なので,使う場所を選びません。
測定の方法はとても簡単です。実際の操作は,動画を御覧ください。
測定に必要なものは,以下の通りです。

本体 センシング用の光学エンジンとCPUボードを搭載しています。
電源アダプター DCアダプター(AC100V→DC12V,標準),又は車載12V用(シガーソケット用,オプション)
センサーチップ 導波モードセンサー用の消耗品で測定試料を入れます。1チップで4つのサンプルを同時測定できます。
光学セル スペクトルメーター用。4サンプルを同時測定できます。
スマートデバイス iOS搭載のiPadまたはiPhone。アプリ「EvaEasy」で本体の制御やデータ送信を行う。EvaEasyはアップルストアよりダウンロード(無料)できます。
測定試薬 検出対象にあわせて適切なものを使います。当社製のキットや市販品が使えますが,測定内容によっては必要ない場合もあります。検出原理は,抗原抗体反応や発色合成基質など様々です。
具体的な使い方は「測定例」を参考にしてください。

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光学エンジン

技術ページでは,SPRセンサーと対比する形で導波モードセンサーの優位点を解説しましたが,ここでは,Eva-M02の心臓部である光学エンジンに搭載されている技術について,解説します。
まず,図2を御覧ください。光学エンジンは,本体上部にコンパクト集約され,厚さ5mmの光学定盤にリジッドに固定されていて可動部がないため,使っているうちに狂いが生じることはほとんどありません。
次に,光学素子の配置を図3に示します。Eva-M02の光学系は,素子の並び方が分光器の光学系によく似ています。(違いは,入射側にポラライザがあること,グレーチングの前に台形プリズムの形をしたセンサーチップが入っていることだけです。)市販されている一般的な小型ファイバー入射型分光器との違いは,コリメータとフォーカスがミラーでなくレンズであること,グレーチングに反射型でなく透過型であることの2点です。(ミラーの代わりにレンズを使う分光光学系は,MGMに対してLGLと言われます。)LGLの利点は,

  • 光のスループットがよいこと。
  • 光路が交差しない(直線状になる)こと。

の2点です。Eva-M02は,透過型グレーチングにプリズムを貼り付けて,グレーチングによる光路の曲がりを修正することで,一直線上の光路にすることで本体(光学エンジン部)の高さを極限まで低くすることに成功しました。また,一般的に分光器で複数のスペクトルを同時に測定するためには,複数の分光光学系が必要ですが,Eva-M02は図4に示すように,4つの入射光学系に対して,4本の分光スペクトルを1つの組レンズでイメージセンサー(2次元モノクロCMOS)に分離して集光することで,4チャンネルのスペクトル同時分析可能な世界最小クラスの分光器を実現しました。(※特許第5903700号)
この光学エンジンは,分光器として2nmの裸分解能(光学的な波長分解能)を持ち,本体CPUボードで行うソフト的な演算処理(2次関数フィッティング)と合わせて,約0.2nmの波長分解能を有します。

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本体

本体は,図2に示すように2階建て構造になっていて,2階部分に光学エンジン,1階部分にCPUボードとBluetoothユニットが配置されています(図5)。その他には,電源スイッチがあるだけで,測定時の操作はもっぱら制御用アプリ(EvaEasy)で行います。
CPUボードは,Eva-M02用に専用設計されたもので,主に3つのことを行っています。

  • LED光源の調光制御
  • イメージセンサーの画像処理(画像データ→スペクトルデータ変換など)
  • スペクトルデータの数値処理(フィッティング,ピーク・ボトムサーチなど)

CPUボードで計算されたデータは,Bluetoothユニットを介してスマートデバイスへ送信され,制御用アプリ(EvaEasy)で測定に必要なバッチ処理が行われます。CPUボードは,主に連続的な計算を行い,無線通信のデータ容量を削減,スマートデバイスのCPU負荷を低減することで,計測システムとして安定的な動作を可能にしています。
その他,本上部中央にセンサーチップまたは光学セルを設置するための開口部があり,側面のボタンを押して開閉します(図6)。(センサーチップや光学セルは,それぞれ専用アタッチメントを介して固定されます。)

CPUボード他(本体下部)
図5 CPUボード他(本体下部)

センサーチップ設置部
図6 センサーチップ設置部

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センサーチップ,光学セル

センサーチップは,図7に示すように,細長い台形プリズムの表面に導波モードを励起するためにシリコンやシリカなどの薄膜を形成し,その上に水溶液サンプルを入れるためのプラスチック製のセルを接着した構成になっています。センサーチップ1枚あたり,4つ(4回)サンプルを測定できます。
導波モードセンサーの旧機種では,チップとプリズムを別工程で作成する方式で,チップを半導体プロセスで製造していました。この方式だと薄膜を形成するシリコンを単結晶,シリカを石英にすることができるため,センサーの検出感度を高くできるですが,コストが高くなってしまいます。(販売価格1万円)
しかしながら,バイオセンサーとして使用する場合,センサーチップはディスポーザブルであることが望まれるため,性能をそれほど落とさずに大幅なコストダウンを行うための検討を行い,スパッタリングプロセスで高品位な薄膜を形成する技術の開発に成功しました。
Eva-M02用のセンサーチップは,販売価格を1/10以下に抑え,1枚あたり¥800(標準価格)です。

光学セルは,図8に示すような4チャンネルのガラスセルです。この光学セルは,Eva-M02をスペクトルメーターとして使用する場合に使います。
測定レンジは,可視光領域(480~730nm)なので,必ずしもガラス製である必要はないため,今後ご要望が多ければ,使い捨て可能なプラスチック製のセルの販売を行う予定です。

センサーチップの構造
図7 センサーチップの構造

光学セル
図8 光学セル

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制御アプリ (EvaEasy)

EvaEasy

EvaEasyは,Eva-M02を制御するためのアプリで,iOSで動作するiPadやiPhoneなどのスマートデバイスにインストールして使用します。測定する試料を調整したり,センサーチップや光学セルに測定試料を注入する操作を除く,その他ほぼすべての測定操作は,本体ではなくEvaEasyで行います。
EvaEasyは,Apple Storeより無料でダウンロードできます。アプリおよびマニュアルは,下記リンクよりダウンロードしてください。

※EvaEasyは,iPad miniで最も快適に使用できるようデザインされています。新しくスマートデバイスを購入する場合は,iPad mini4がおすすめです。

[ダウンロードリンク ]

  • EvaEasy for iPad
  • EvaEasy for iPhone
  • マニュアル

EvaEasyの基本的な使用方法は,動画にまとめてあります。ここでは,EvaEasyの機能や特徴,操作方法について簡単に紹介します。詳しい説明は,マニュアル(PDFファイル)を参照くださいませ。

※以下の説明に出てくる画面キャプチャは,EvaEasy for iPadのものです。

センサーチップの構造

光学セル

EvaEasyの機能

大きく分けて,「導波モードセンサー」と「スペクトルメーター」の2つの測定モードがあります。
それぞれの測定モードに,3もしくは4つのサブメニューがあります。(メニューバー左サイド)

導波モードセンサー

リファレンス 測定準備用
反射率 静的な測定(バッチ測定)用
経時変化 反射率(ディップボトム)の経時的変化測定用

リファレンス 測定準備用

反射率 静的な測定(バッチ測定)用

経時変化 反射率(ディップボトム)の経時的変化測定用

スペクトルメーター

リファレンス 測定準備用
吸光度 静的な測定(バッチ測定)用
透過率 静的な測定(バッチ測定)用
経時変化 吸光度又は透過率(波長,面積,ピーク・ボトム)の経時的変化測定用

リファレンス 測定準備用

反射率 静的な測定(バッチ測定)用

サブメニューの測定に係る操作は,メニューバー中央のボタンで行います。

更新

マニュアル

固定(白)

固定(オレンジ)

消去

バッチ測定

開始

停止

波長

面積

ピーク

ディップ

メニューバーの右サイドには,データの表示,保存,メール送信,設定を行うユーティリティー的なボタンが並んでいます。

データ

保存

送信

設定

EvaEasyの特徴

EvaEasyはiOS用のアプリなので,ほとんどの操作を「タップ」「スワイプ」「ドラッグ」「ピンチアウト/イン」などiOSで使う基本的なジェスチャーだけで操作できるように設計しました。最初の設定時を除いて,ソフトウエアキーボートを使った文字の入力はほとんど必要なく,測定操作を全て素早く,直感的に行うことができるようになっています。
主な特徴は以下の通りです。

1.サムネイル表示と詳細グラフの切替え

サムネイル表示 詳細グラフ データ表示

2.データ保存は,画面キャプチャ(PNGファイル)とCSVファイル(カンマ切りテキスト)の2種類

データ保存   画面キャプチャ   CSV

3.データ送信先(メールアドレス)は,iOSデフォルトの「連絡先」から簡単に設定可能,リスト作成も簡単

連絡先   リスト作成    

4.ファイル名の自動生成機能や,送信ファイルの自動選択機能などの自動化ツール

ファイル名入力   ファイル名自動   メール送信 ファイル自動選択

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使用方法-1 (動画)

Eva-M02の使用方法は,制御アプリ(EvaEasy)の直感的な操作感を活かすために,主に動画で説明します。

Eva-M02の紹介と使い方(基本編)

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使用方法-2 (レポートダウンロード)

基本的な使用方法は,使用方法-1の動画を御覧ください。
Eva-M02は,2つの測定モード(導波モードセンサー,スペクトルメーター)があり,それぞれ各種測定試薬と組合せて様々な対象を検出・定量することができます。
当社では,今後様々な検出対象について,基礎的な技術情報や,市販されている試薬を使った測定方法,オリジナル検出試薬を使った測定方法等について,PDFレポートを作成していきます。レポートは下記のリンクよりダウンロードできますので,測定の参考にお使いください。

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価格表(標準価格)

基本セット 標準価格 ¥2,000,000-

セット内容

本体(1台),電源アダプター(AC100V用,1個),センサーチップ(10個),光学セル(ガラス製,1個),アタッチメント(センサーチップ用および光学セル用,各1個),六角レンチ(2本)

※iPadやiPhoneなどのスマートデバイスはセットに含まれません。(市販品が使えます)

基本セット

消耗品
センサーチップ
¥800-
測定試薬
測定対象別にお見積もりします。基本的に受注生産となりますが,市販試薬で対応できる場合や必要ない場合もございますので,納期,価格などはお問合せください。
オプション
iPad (Wifiモデルのみ)
機種により変わります。お問合せください。
電源アダプター (車載シガーソケット用)
¥4,000-
スペクトルメーター用セル (受注生産品)
¥50,000-

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English summary

Eva-M02 using evanescent light excited with waveguide-mode is a high-sensitivity sensor with characteristics suitable for biosensing. In biosensors using evanescent light, surface plasmon resonance (SPR) sensors are well known, Biacore series of GE Healthcare is most famous. But, Eva-M02 has a detection sensitivity in a small body that exceeds the SPR sensor by a factor of 10 or more.
Eva-M02 can be made more sensitive by three orders of magnitude by using colored (absorption in the visible light region) labeling substances such as colloidal gold, which makes immunochromatography more sensitive. In addition, same as SPR sensors and some QCM sensor, Eva-M02 can detect progression of the antigen-antibody reactio in real time as a time-dependent change. In other words, it can measure the concentration of a sample. This function of quantitaive analysis is the most important feature of Eva-M02.
The advantage of waveguide-mode sensors over other biosensing technologies is witten in thechnology page. The features of Eva-M02 are summarized in the following three.

  • Sensitivity, quantitativity, mobility, simplicity, detection velocity, and cost are balanced in high level.
  • Compatible with many tests on commercially available diagnostic agents, it can change qualitative → quantitative analysis.
  • In addition to waveguide-mode sensors, it also has the function of a spectrometer (visible light area) and is compatible with a wide variety of tests.

Using Eva-M02, many objects can be sensed very sensitively and easily. Representative measurement objects are shown below. (In brackets, the measurement mode and detection principle for the object) Specific measurement examples for each measurement object can be download at 使用方法-2 as PDF files.

  • Viruss (Waveguide-mode sensor / Laveling of antigen-antibody reactions)
  • Blood factors and other proteins (Waveguide-mode sensor / Laveling of antigen-antibody reactions)
  • Concentrations of salts, sugars, and proteins in aqueous solutions (Waveguide-mode sensor / Changes in the refractive index)
  • Turbidity of the solution (Spectrometer / Transmittance)
  • Fungi such as Escherichia coli (Spectrometer / Changes in absorbance due to chromogenic synthetic substrates)
  • Various others

As a typical measurement example, a schematic diagram explains how to quantitatively measure immunochromatography, which is used in tests for influenza, using Eva-M02.

模式図

  1. The detection reagent and the measurement sample are mixed and an antigen-antibody reaction is performed in a tube.(Few minutes)
  2. The mixed solution is poured into the sensor chip and measured the time-dependent change. (Measurement time is about few minutes to 10 minutes.)
  3. Calculate the antigen concentration in the sample from the time(t0~t1) for which the reflectance change (ΔR) reaches the set threshold value.

Eva-M02 basically consists of a pen-case-like body and an iOS-equipped smart device (iPad,iPhone). It is large enough to fit into a female second bag, so it is easy to carry, and it can be kept in a desk drawer when not in use. The power supply of the main unit is a small adapter (AC100V or 12V automotive), so do not choose where to use it.
The method of measurement is very easy. For actual operations, please watch the movie. (Sorry, movie is japanese only)
Measurement requirements are as follows.

Main body Optical engine and CPU board are installed for sensing.
Power unit DC Adapter (AC100V→DC12V, standard) or automotive 12V (for cigarette sockets, optional)
Sensor chip Consumables for waveguide-mode sensors to load the sample to be measured. Four samples can be measured simultaneously with one chip.
Optical cell For spectrometer. Four samples can be measured simultaneously.
Smart device iOS-equipped iPad or iPhone. Controlling of main body and sending data are done by application"EvaEasy". EvaEasy can be downloaded (free) from Apple Store.
Reagent kit for measurement Use an appropriate one according to the detection target. Our kits and commercial products can be used, but may not be necessary depending on the measurement content. Detection principles are diverse, including antigen-antibody reactions and chromogenic synthetic substrates.
Spesific usage is as follows "Measurment example".

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